アトピーが原因でいじめられた経験はありますか? ぼくはあります。
アトピーが原因で疎外感を感じたことはありますか? ぼくはあります。
アトピーが原因で恋愛に奥手になったことはありますか? ぼくはあります。
アトピーが原因で仕事が辛かったことはありますか? ぼくはあります。
アトピーが原因で死にたくなったことはありますか? ぼくはあります。
アトピーで辛いことは星の数ほどありますが、対人関係で一番きついのが見た目の醜さです。
化け物、キモイ、汚い。
何がキツイかというとじぶん自身が「そう思うのも無理はない」と理解できてしまうところです。 アトピーで掻き壊れた肌の醜さ、汁の不快さは誰よりもじぶんがよく理解しているからです。
なりたくてアトピーになったわけじゃない。なんでこんな目にあわなければいけないのか。
次第に「誰かに見られること」が怖くなります。電車のつり革を掴むことすら躊躇してしまうのです。
社会の輪になじみ切れない。どうしても一歩引いてしまう。
本気でアトピーがきつい時、ふと、じぶんは生きている価値があるのだろうか? 生きていても良いのだろうか?
そう思ってしまうのです。
アトピーの小学校時代はいじめが起こる
アトピーが原因のいじめがいちばん深刻な時期は小学校だと思います。 アトピーという理由だけでいじめられる可能性が一番高い時期です。 親として一番気をつけなくてはならない時期です。
今なら説明できるくらい知識も付きました。 感情も整理できています。 でも当時は「なぜ」「どうして」「意味不明」という感情に支配され、ずっと強いストレスを感じていたことを覚えています。
いまだに思い出すとストレスを感じ、肌を掻き壊してしまうほどです。
アトピーがコントロールできない時期
小さい頃はアトピーのコントロールが上手くできません。 アトピーをコントロールするには学習と成長が必須だからです。
アトピーがひどくなりがちな時期なのです。 アトピーが一番ひどかった時期はいつだったか思い出してみると小学生の時と回答する人は多いと思います。
アトピーは見た目にすごいインパクトがあります。悪い意味で「みんなと違う」のです。
コミュニティ全体が未熟
シンプルにコミュニティの主役が幼く未熟なことが原因です。
知識がない故シンプルな反応をしてしまう。 受け手(アトピー)も素直に傷ついてしまうので心の傷が大きくなりやすいのです。
普通の感覚だとアトピーと手をつなぎたくありません。
組体操、フォークダンスなど手や肌が触れ合う機会はそこそこあります。 イベント系に多いのが辛いです。 悪い思い出として強く残りやすい。
一緒のプールに入りたくない、アトピーの座席のまわりを掃除したくない、掻きちらかした本人が掃除すればいい・・・・・など。
否応なくじぶんは普通じゃないんだと自覚し、強いショックを受けました。
知識がなく未熟だから純真に拒絶してしまう。 そう見えてしまう。 そう伝わってしまう。 これがキツイのです。
「普通の感覚だとアトピーと手をつなぎたくありません」と言いましたが、これには優しさが含まれる場合があります。
傷口を触って悪化させてしまったら申し訳ないというやさしさです。 でもこれが伝えられない。 行動原理がうまく言語化できない。 結果「嫌だ」になってしまうのです。
アトピー側も触られたくありません。 アトピー悪化の原因になりかねない他、掻きむしった肌はするどくとがっていることが多く、相手を傷つけてしまう可能性があるからです。
取りなし方も重要です。
「〇〇ちゃんは手をつないでも良いって言ってるのになんで拒否するの?」
「〇〇君と一緒にプールに入ってもアトピーはうつらないから大丈夫!」
このように「言いたいことは良くわかるし伝わるが、色々たりない」言い方だといじめを助長しかねません。
特別扱いするのも注意が必要です。 コミュニティが幼いゆえに「多様性」の理解が難しいのです。 最悪、これがいじめの原因に追加されてしまう危険性すらあるのです。
当時言語化できませんでしたが「はれもの扱いされていた」ことは感じ取っていました。
出口が無いのがきついのです。
中学生以上になるとアトピーだけが原因でいじめられることは少なくなる
中学生以上になるとアトピーがいじめの直接原因にはならなくなります。 少なくとも「アトピーだから」の比率が大幅に下がります。
アトピーが原因で中学校以上でもいじめが発生する状況をよく観察すると、小学校からの引継ぎが原因だと理解できます。
小学校の頃にアトピーでいじめられていたから中学でもいじめられるのです。
中学生くらいになると知識も増えていますから、みんなアトピーが何なのかそれなりに理解しています。
いじめたい対象のアトピーを利用することはあってもアトピーだけを理由にいじめることは極端に少なくなる印象です。
小学生の頃にアトピーでいじめられていた時に「いじめられる要素」が育まれ、結果として中学以降もいじめの対象になってしまうのです。
逆に、これをうまく活用できれば中学でいじめの連鎖を断ち切ることができます。
社会人になるにつれいじめは差別に変化する
大人になるにつれ、アトピーが原因のいじめは差別へと変化していきます。
「アトピーでもできることはたくさんありますよ」
ありがたい、あたたかい、やさしい言葉です。 でも、この言葉自体を差別と思ってしまうくらいしんどいのです。
「お前は普通じゃない」と言われている気がしてしまうのです。
人生にはたくさんの課題があります。 仕事、恋愛、結婚、子育て。 影響度合いはそれぞれですが、経験上アトピーがメリットになることは残念ながらほとんどありません。
どれだけアトピーがひどくても入学できない学校はありません。 でも、アトピーがあるとできない仕事はあるのです。(就職差別)
ぼくは手湿疹が克服できず大好きな調理の仕事を諦めました。
アトピーがあると恋愛、結婚でも不利になります。 アトピーの人と結婚したくないという生理的なモノから子供への遺伝を心配するものまでさまざまです。
こっちだって不安です。いざというときに拒絶されないか。 自分の子供に同じ苦しみを背負わせてしまうのではないかと。
真にアトピーが原因で自殺したくなるタイミングはここです。 どんなに気をつけていても、アトピーであることに切望するタイミングはあるのです。
できればこうなる前に、残念ながらこうなってしまった後でも。
「克服方法」を身に着けておくことが有効な対処法になります。
アトピーを克服できる方法は「笑顔」
冗談に聞こえるかもしれませんが、無数のアトピー対策をやった末にたどり着いた答えが笑顔です。
厳密にいうとストレス対策に笑顔が効果的なのです。
もちろん普通のアトピー対策もちゃんとやりますし病院にもいきます。 でもベースは笑顔です。
何十年もアトピーと付き合ってきてわかりました。アトピー悪化の原因はストレスです。
アトピーはストレスで悪化します。 イライラするとかゆくなりますよね?
薬や病院など「やらなきゃいけない」ことは全部ストレスになりますし、食べてはいけないモノなどの「我慢」もぜんぶストレスです。
やるべきことをやっているのにアトピーが改善しないのは、対策の効果をストレスが相殺しているからです。
そこで「笑顔」です。
人間は一貫性を重視します。 一貫性があると感情は増幅します。 怒った時は怒った顔と怖い声、不安な時は不安な顔と不安な声、うれしい時はうれしい顔とうれしい声。
不安やストレスの一貫性を笑顔で断ち切るのです。
常にニコニコするようにしましょう! 常にニコニコしていると、逆に表情に感情が引っ張られ、心地よくなります。 人間は笑顔のままストレスを感じることはできないのです。
笑顔は最強のコミュニケーション
「絶対にアトピーが治る保証」などこの世のどこにもありません。
絶望しましょうという話ではなく、そもそもコントロールできないものだと理解するべきだという話です。
生まれてきた子供がアトピーだった。
親として最大限アトピー改善の努力をします。そのために情報をまとめたのがこのブログなので、ここに書いてあることは全部やります。
でも100%治る保証はありません。 コントロールできないものだから。 コントロールできないものだけに取り組み続けると結果が出るまで気分が沈み続け、やがて絶望してしまいます。
だから、100%じぶんでコントロールできるものを並行して取り入れるのです。
笑顔なら「じぶんがやるだけ」なので100%実行できます。
そして笑顔は最強のコミュニケーションです。
常にニコニコしている人は確実に好印象を与えます。 常にニコニコ楽しそうにしている人をいじめようとは思いません。 むしろ人が集まってきて良い友達に恵まれるでしょう。
アトピーが見た目的に悪印象であることは事実です。 100%改善する方法が確立されていないのも事実です。 おなじく、笑顔が好印象を与えることも事実です。
笑顔の好印象でアトピーの悪印象を相殺し、笑顔が感情に及ぼすポジティブな効果でストレスを軽減させる。
結果としてアトピーも治ってしまう。 無駄のない対処法なのです。
だから、じぶんの子供には今まで得たアトピーの知識、経験をすべてつぎ込み「自然と笑顔でいられるような」教育します。
アトピーを嫌いにならないことは難しいですが、アトピー憎しとなってしまうと負のスパイラルに陥ってしまいます。
子供がアトピーを克服できるように責任を果たしつつ、アトピー関係なく楽しい人生を過ごせるように、アトピーとの上手な付き合い方を教えてあげたいのです。
そうすることで、アトピーとして生まれ、育ってきた自分自身をより誇らしく思えるようになり、ぼくの笑顔もより輝き、結果として親子ともにアトピーを克服できると思うのです。