アトピーって別に痛くないんですよ。
傷から血が出ているのをみれば「大変だ!」って思うのは普通ですし、傷口はインパクトのある見た目ですから「痛くない?大丈夫??」ってなるのが普通なんですが、アトピーの人は痛みなんてどうでも良いって思っています。
アトピーの心にあるのは2つ。
耐えがたいかゆみへの恐怖。
見た目への嫌悪。
コレだけです。
想像を絶するかゆみ
かゆみに恐怖感を覚えたことはありますか?
アトピーを克服して気づいたのは、普通のひとって生活の中でそんなにかゆみを感じないんですよね。
かゆみを感じる頻度も少ないですし、かゆみの程度もそれほどではありません。
強烈なかゆみを感じるシーンは虫刺されくらいではないでしょうか?
よく「蚊に刺される」と形容されますが、確かに虫刺されは耐え難いかゆみです。 ムヒとか専用のかゆみ止めの需要があるくらい。
とはいえ、虫刺されのかゆみに恐怖を感じるまでの人は居ないと思います。 一過性だとわかっているのでなおさらです。
アトピーのかゆみは虫刺されの比ではありません。
衝動、発作と言ってもよいくらい。 がまんなど到底不可能なものなのです。
生まれたときからアトピーで、今はアトピー克服していますが、人生でアトピーを超えるかゆみを感じたことは一度もありません。
まさに体験しないとわからない類のものです。
言葉にできないのもアトピーの悪いところです。 想像を絶する。蚊に刺されたかゆみの100倍かゆい。 これでは伝わりません。
アトピーのかゆみはアトピーのひとを孤独させるのです。
アトピーはかゆくなるのがこの上なく恐ろしいのです。
かゆみを我慢してもアトピーは治らず、むしろ悪化する
かゆみを我慢してもアトピーは治りません。
新しい傷口が増えなくなるだけです。 アトピーは治りません。 傷口が全部ふさがって、肌がきれいになってもかゆみは出ます。
虫刺されとは違い、かゆみを我慢してもアトピー自体は治らないのです。
つまり、我慢には果てが無いのです。
衝動とも呼べるかゆみを我慢し続けるのは不可能です。
アトピー本人と周囲の人(特に家族)はこれを認識する必要があります。 アトピーを改善したいなら必須です。
アトピーに「掻くな」は時として拷問のようになる場合があり、これが強いストレスとなってしまう。
逆にアトピー悪化の原因になるのです。
傷口は醜く、やってしまった事実を突き付ける
かゆみとの戦いだけでも精神を摩耗しますが、掻いたあとの見た目がとどめを刺しに来ます。
アトピーなら誰しも肌を全部覆い隠して生活したいと思ったことがあるはず。
アトピー対策で半そで半ズボン。 風通しを良くする意図だったと思いますが、アトピーが掻き壊れた部分が露出し、人に見られるのが苦痛だった事を覚えています。
アトピーが肌を掻かないことは不可能です。(寝ているときにかゆみに襲われることもありますので絶対に無理です)
掻き壊れた肌はひどい見た目です。 そして、この見た目はアトピーにとっては「日常」なのですがアトピーじゃない人にとっては「非日常」なのです。(みんなと違う)
この見た目に対してポジティブな感想を持つ人は居ません。
そして、いちばんポジティブな感想を持たないのは本人なのです。
やってしまった「証拠」が傷として残っているのですから。 傷をみるたび「やってしまった」ことを責められているとすら思うのです。
終わりのない螺旋が本当に辛かった。
事実を認め開き直る
アトピーのかゆみは、アトピーの見た目の苦しみはアトピーにしかわかりません。
男性が出産の痛みを説明されても理解できないのと同じです。
まずこの事実を認識するのがアトピー改善の第一歩だと思います。
そうすることで「気にしても仕方がない」と思えるようになります。
そう。気にしても仕方がないのです。
誰かの感想を変えることはできませんし、弁明して回るのは現実的ではない。 かゆみを100%我慢することはできませんし、掻けば傷ができてしまう。
出産の痛みを例で出しましたが、妻の痛みを理解できないじぶんはダメな夫だ… と自分を責め続け何を得るのでしょうか? 誰が得をするのでしょうか?
わからないものはわからない、コントロールできないものはコントロールできない。 これを認めましょう。
そうすることで「じゃあ!」となります。
わかるようになるために分析したり情報を集めよう。 コントロールできる部分に集中してやってみよう。
メンタルが変わることでストレスを感じる個所が一気に減ります。
結果としてアトピーが改善します。 なぜなら、アトピー悪化の原因であるストレスが減るからです。
アトピーは病院に行ってもらった薬を使い切れば治るという病気ではありません。
アトピーとしっかり向き合う姿勢こそ、アトピー改善にいちばん効果があることなのです。