アトピーだとよく「脱ステ」が話題になりますが、脱ステを考えるということはステロイドを使ったことがあるというのが前提になります。
ステロイドが怖い、ステロイドがクセになる、強い薬なのにアトピーが改善しない……
こういった理由で脱ステを考えるようになると思うのですが、その「ステロイドが怖い、ステロイドがクセになる、強い薬なのにアトピーが改善しない……」という悩みははたしてステロイドを『ちゃんと』使ったうえでのことなのか。
医師の指示があいまいなことがあるのも事実なので、今回はそのあたりを深堀していきます。
アトピー薬いつぬればよいのか問題
1日のうちどのタイミングでアトピー薬を塗ればよいのか。
丁寧なお医者さんだとタイミング・回数・量を教えてくれますが、そうでない医師がいるのも事実。
「ひどくなったら」「気になるときに」なんて言われて薬を渡された経験はないでしょうか?ぼくはあります。
詳しい説明を要求したりかかる病院を変えたりした方が良いレベルですが、なかなかそういうわけにもいかないこともあると思います。(ぼくも昔はそうでした。なんか遠慮しちゃう)
その後、じぶんで調べたり良いお医者さんに巡り合ったりして傾向が見えてきたので「薬をいつ塗ればよいのか問題」について自分なりの回答をまとめておきます。
・お風呂上り
・夜掻いた次の朝
これらのタイミングが効果的でした。
お風呂上りは有名なタイミングですね。 血行が良くなっているタイミングなので薬の吸収効率が良いタイミングです。 良く効くタイミングということです。
あとで詳しく説明しますが、ステロイドを使うなら短期決戦でやるべきです。 だから効率よく薬を使うことは重要なのですね。
もう一つは「夜掻いてしまった!」タイミングです。 朝起きて「やってしまった!」と頭を抱えているタイミング。
掻き壊してしまった個所を早急に治したいという意図ですね。
この2つのタイミングを抑えておけばアトピー肌は良くなっていくはずです。
他の注意点としては、清潔な手で薬を塗るという事。
薬を使う前にしっかり手洗いをすることと、薬を塗る場所(患部)も水洗いしておくと良いです。
水洗いするとアトピーの汁(浸出液)が出てきて薬が流れてしまう!と思う人いると思いますが、気にしなくて良いというか仕方が無いというか。
結局、乾燥状態で薬を塗ってもアトピーの汁は出てきますから変わらないです。
どちらにしても変わらないなら確実に「清潔」にしておくほうが良いです。
ちなみにアトピー汁の問題は次に説明する「塗り方」がある程度カバーしてくれます。
参考リンク→アトピーの治療|外用薬について|特定非営利活動法人日本アトピー協会
ステロイド薬の量、多すぎじゃない?問題
次に問題になるのが薬の量。 一般的にイメージする「適量」とアトピーで使うステロイド薬の「適量」はだいぶ違います。
ガッテン塗りというか、超もりもり塗るのがステロイド薬の「適量」です。
少なく取って塗り広げる、刷り込んでいく感じではなく、大量の薬でフタをするイメージです。
これ、アトピー汁(浸出液)対策としても効果的です。 逆に、薬の量が少ないとアトピー汁で薬が流れてしまうのですね。
画像で伝わるでしょうか? このくらいです。(画像はわかりやすくするために白色のクリームを使用し、やや過剰に盛っています)
ちなみに、過去記事で全自動洗濯乾燥機すすめたの覚えていますか?(この記事とか) アトピー対策として全自動洗濯乾燥機。 なんでだと思います?
ガッツリ塗る「正しい」ぬりかただと、アトピー薬がいろんなところに付着するのが気になるからです。 シンプルに洗濯物が増えるんですよ。
ちょっと引用。
効率のいいのは風呂上り
皮膚が清潔で潤いがあって血行が良いお風呂上りに塗るのがいちばん効率よく薬剤が浸透するとされています。
また保湿剤は浴槽を出て5分以内に塗るのが理想です。素早くタオルで体を拭き外用薬や保湿剤を塗るには、少し「慣れ」が必要かもしれませんが、早くコツを掴んでください。頭髪の手入れなどは外用薬や保湿剤を塗ってからにするなど手順を考えて習慣づけしてください。またワセリンなど、少し基剤などが硬い場合はチューブならお風呂場に持ち込み、さらに少し身体が濡れた状態で使用する方法もあります。 バスタオルの洗濯が大変かもしれませんが、酷くならないためにも保湿が優先かもしれません。
参考リンク→アトピーの治療|外用薬について|特定非営利活動法人日本アトピー協会
この通り、アトピー改善のために洗濯の負担を軽くするというのは様々な面において理にかなった対策なのです。
繰り返しになりますがステロイド薬は「短期決戦」で使うもの。
ステロイド薬のもつ副作用が顕在化するまえにアトピー肌を治すことに集中してやり切ってしまうのがステロイド薬の正しい使い方なのです。
ステロイドで肌がきれいになる=アトピーが治る ではない!
ステロイド薬はアトピーを治す薬ではありません。 肌の炎症を治す薬です。
アトピーの「原因」が改善していないわけですから、アトピーがぶり返すのは当たり前です。
ステロイドで肌が落ち着いているうちにアトピーの原因を究明し、対策していかなくてはいけないのです。
こういう感じ→
・生まれてから一時的にアトピーがおさまるまで、再発させないようにするためのアトピー対策順番 - アトピーに負けないっ!
・アトピーが治らない、ぶりかえすのは対策の優先順位を知らないから - アトピーに負けないっ!
アトピーの原因が治らないならステロイド使わなくても良いのでは? と思うかもしれません。
これはその通りなのですが、アトピーの症状である「ボロボロの肌」は強烈なストレスになります。
かゆみが不快、ささくれだった肌が不快、皮膚が破けて痛くて不快。 ストレスです。
なにより「周囲の目」が強烈なストレスになります。
アトピー悪化の原因はストレスですから、肌を奇麗にするということはメンタル的にもアトピー改善に寄与することなのです。
ぼくは脱ステ経験者ですが、結局ステロイドを使うことにしました。
デメリットとメリットを天秤にかけたうえで、ステロイドを使う選択をしたということです。
いろいろ言いましたが、脱ステの否定・肯定より前に、正しい使い方、正しい付き合い方を見直してみましょう!という提案です。
最後にもう1回。
ステロイドは「短期決戦」で使うのが鉄則です。 そのうえで生活改善や使っているアイテムの見直しなど「原因究明と対策」をする必要なあるのです。
これがステロイドの正しい使い方です。
参考記事→親が子供に脱ステさせるのは虐待だと思うから正しいステロイドとの付き合い方を教育する - アトピーに負けないっ!