アトピーは関節にできやすいです。 これは常識ですが、どの関節にできるアトピーも治る難易度は同じではありません。
個人的な経験による見解ですが、いちばん治りにくいのは指(手)のアトピーで、いちばん治りやすいアトピーがひざ裏のアトピーだと思います。
なぜひざ裏のアトピーは治りやすいのか?のお話を通じて間接にできるアトピーとの付き合い方を考えてきましょう。
- どうして関節はアトピーができやすいのか(患者視点)
- どうして指(手)、顔のアトピーは手ごわいのか(患者視点)
- ひざ裏のアトピーは治りやすい要素が詰まっている
- 何もケアしないとひざ裏の環境は劣悪になる。ステテコ治療法が効果的な理由
- 可能であれば化学繊維も試してほしい
- ひざ裏のアトピーを治しながらノウハウをためる
どうして関節はアトピーができやすいのか(患者視点)
どうして関節にアトピーができやすいのか。 関節にアトピーができる理由や特徴を患者視点でまとめてみます。
・皮膚が薄い
・曲がるのでかさぶたが安定しない
・汗がたまりやすい
おおきくこの3要素が重なることで関節にアトピーができやすいわけですね。(首も含む) 顔にアトピーができやすいのも同じ理由です。
どうして指(手)、顔のアトピーは手ごわいのか(患者視点)
アトピーが改善していくと、最後に残るのが指(手)や顔のアトピーであることが多いです。
これはなぜかというと、シンプルに刺激が多い場所だからです。
手、指は他のモノと触れ合う機会がダントツで多い部分です。 顔は皮膚の薄い部分が多いうえに皮脂が多いという特徴があり、女性は化粧という刺激がある部分になります。
手も顔も紫外線の影響が大きい部分であることも無視できません。
冬場手袋をする(できる)人ならよくわかると思いますが、手袋の有無(露出の有無)で手の状態は明らかに変わります。
まとめると、刺激が多く守りの少ない部分だから最後までアトピーが治りにくいということです。
※首系(首、手首、足首)は洋服の末端にある関節だからアトピーが残りやすい。襟や袖がすれて刺激になる。だから同じ首系でも足首だけ多少マシ。
ひざ裏のアトピーは治りやすい要素が詰まっている
手、指、顔のアトピーが治りにくい理由を考えるとひざ裏アトピーの治療難易度が低い理由が見えてきます。
基本的に、ひざ裏は露出しない部分。 常に守られている、守れる部分だということです。
じゃあなんでひざ裏のアトピーで苦しむ人がいるのか。 どうすればよくなるのか。
ひざ裏の環境を理解して対策を整えると劇的に改善します。
何もケアしないとひざ裏の環境は劣悪になる。ステテコ治療法が効果的な理由
ひざ裏の環境は意識ひとつで清潔な環境にも劣悪な環境にもなります。
制服やスーツのズボンを毎日お洗濯する人は居ないと思います。 洗濯するにしてもドライクリーニングではないでしょうか?
何本かでズボンを着まわしていても汗や汚れは蓄積していきます。
そして、ドライクリーニングで汗汚れは落ちません。
朝はいたズボンを脱ぐのは帰宅後だと思います。 汚れが蓄積した布(ズボン)がアトピーの肌に触れ続けるわけです。 これはアトピーが悪化して当然です。
逆に、毎日清潔なズボンにはき替えることができれば。 1日のあいだでズボンをはき替え、清潔な状態を維持できれば、布で守られたひざ裏のアトピーは劇的に良くなります。
でも毎日ズボンを洗濯するのは現実的ではありません。 まして、1日の間にズボンをはき替えるなんてやるにはズボンを何本用意すればいいのだ!となってしまします。
そこでステテコが活躍します。 ひざ下まで丈のあるステテコをはき替えれば清潔を保てます。
毎日ステテコをはき替えることでズボンを清潔に保つのです。 アトピーがひどい時期や汗をかく時期は替えのステテコを持ち歩き、午前・午後ではき替えることもできます。
ステロイド薬などを使いやすくなるのもポイント。 軟膏でズボンが汚れるのを守ってくれますから。
適切にステテコを活用すると、ひざ裏の環境はこうなります。
・露出していない
・外気や紫外線から守られる
・薬を塗れる
・清潔
・汗を吸ってくれる
・はき替えで環境悪化に対応可能
このような感じでかなりアトピーが治りやすい環境に変化します。
アトピーがひどいならおさまるまで「はき替え」を意識的にやると良い結果につながります。 正直めんどうですが、手間をかけるだけの価値があります。
ついでに、ズボンにつくひざ裏のしわ(正座したときにスゴイ付くあのしわ)が付きにくくなります。 清潔感がUPする、アトピー改善以外のメリットもあるとということです。
※ひざ裏のしわは体重と汗(水蒸気)、体温の3つが揃い、「スチームアイロン」状態になることでつくので、汗がなくなるだけでかなり緩和されるのです。
※ズボンは「汗抜き加工」や「水洗い」でクリーニングに出すのがアトピー改善のコツです。
可能であれば化学繊維も試してほしい
アトピーで苦しむ人って天然繊維信仰が強い傾向があると思います。 綿の下着しか認めない!的なやつですね。
ぼくもそうだったので良くわかりますし、ぼく自身、綿の肌着をメインに使っているのは事実ですが、化学繊維が使えるなら化学繊維を使ったほうがいいです。
参考までにぼくは肌着のパンツ以外は全部化学繊維です。
化学繊維について勉強したことがあるのですが(スーツ販売員やっていた時代があるのです!)、化学繊維はピンキリです。
綿は優秀な素材ですがどうしても厚みが出てしまい、重ね着していくと不快感(ストレス)が出てしまいます。
それに、綿の重ね着は蒸れます。
吸湿速乾の化繊で作った肌着は用途を見据えて素材から作っていますので機能性が段違いなのです。
ただ、アトピー的に化繊はどうしても合う合わないが出てしまいます。 ぼくの場合は肌着のシャツ、ステテコは化繊でも大丈夫なのですが、肌着のパンツがどうしても無理で、パンツだけ綿製品を使っています。
こればっかりは使ってみないとわからないので正直かなり悩ましいのですが、投資のしどころだと思います。 使える化繊の機能性肌着が見つかるとアトピー対策はかなり楽になります。
化繊の肌着を選ぶ場合はガチめのモノを選ぶのがポイントです。 糸と組織(布)をしっかり計算して作っているモノですね。 妙に安いモノはやめたほうがいいです。
化繊=安いは過去の認識です。 むしろ機能性肌着は天然繊維の肌着よりも高くなることも多いです。 製品の価格を下げるために化繊を混ぜたような製品を選んではいけないということです。(これで化繊に変な先入観を持つと非常にもったいないです。)
この手の製品で一番有名なのはエアリズムでしょう。グンゼでもクールマジックとか各社ラインナップがあります。
↓クールマジック
化繊肌着は本当にピンキリなので、まずエアリズムやクールマジックくらいの機能、価格帯のものを試すのが良いです。
ちなみに汗の問題は夏場だけではありません。 ズボンの汚れも同じです。 ひざ裏アトピーの再発防止のために年中着用するのが望ましいです。
というか、ステテコの快適さを体験すると自然とステテコをはかないなんてありえない!となりますよ。
ひざ裏のアトピーを治しながらノウハウをためる
このように、ひざ裏アトピーは治る環境を整えやすいことが理解できると思います。
これでひざ裏アトピーが改善すると、関節アトピー対策のノウハウが溜まります。
あとは応用していくだけです。 やりやすいのがひじの内側ですね。 意外と安いワイシャツなんかが肌への刺激になっているかもしれません。
夏場でも長袖を着用するという選択肢が出てくると思います。 ノウハウが溜まっていくと選択肢が増えていくのがいいですね。
アトピー悪化の原因はストレスです。 いち部分でもアトピーが改善していけば確実にストレスは減っていきますから、アプローチしやすい部分から取り組んでいくのが良いです。
「こうすれば治る」というのが確立できると精神的にも楽になります。 取り組みやすい、条件を整えやすいひざ裏アトピーから取り組むのがおススメです!