アトピーを治すため皮膚科に行く人は、実はほとんどいないのではないかと思います。
体調が悪くなったりけがをしたら病院に行くのが自然です。 そして、たいていの不具合はきちんと治ります。
しかし、アトピーに関して「病院に行ってきれいさっぱり治った!」という感想を持つ人は少ないと思います。
これはアトピーの特徴です。
アトピーの症状はかゆみと肌荒れ(傷)であり、これらに対して処置を行いますが、これは原因に対する対処ではありません。
だからアトピーの人はぶり返しで悩むわけですね。
これは医師や病院が悪いというよりも患者と医師の認識が食い違っている事が原因です。
ではどうすればよのでしょうか。
アトピー患者視点での皮膚科活用方法について解説していきます。
- アトピーを治すことと肌を奇麗にすること、かゆみを無くすことは別
- 症状が悪化しないと病院に行きにくいジレンマ
- アトピーは皮膚科ではなくアトピーの専門医に診てもらう必要がある病気
- アトピー患者視点、正しい病院との付き合い方
- アトピー克服のコツは短期決戦と長期戦の使い分け
アトピーを治すことと肌を奇麗にすること、かゆみを無くすことは別
アトピーで病院にかかったとき処方される「ステロイド」という薬があります。
ステロイドは炎症を抑える目的で処方されます。 軟膏を患部にぬるように指示されると思いますが、掻き壊した傷を治すことが目的なのですね。
ステロイドをもらうために病院に行く人は少なくないと思います。
でもこれ、よく考えてみるとアトピーの根本治療ではないのですよ。
掻き傷ができたということは掻く原因があるということ。 掻く原因に対してアプローチしていないのですから、アトピーがぶり返すわけですね。
病院側の治療方針がおかしい!と思う人がいるかもしれませんがそうではありません。
病院側の治療方針がおかしいのではなく、相互の認識に差異があるのです。
症状が悪化しないと病院に行きにくいジレンマ
アトピーで病院に行くシーンを思い浮かべてみてください。
アトピーがひどくなったタイミングで行くことがほとんどだと思います。
病院に行って「アトピーがひどくなってしまったので何とかしてください」という感じで始まりますよね?
そうなると必然的に今こまっていること、傷口の治療が行われます。(対処療法)
優先順位の問題ですね。
これは結構根深い問題だと思うのです。
なぜなら、症状が出ていない時に病院に行き辛いからです。
アトピーは皮膚科ではなくアトピーの専門医に診てもらう必要がある病気
長年アトピーで苦しんでわかったことですが、本気でアトピーを治すのなら、皮膚科ではなくアトピーの専門医と協力する必要があると思います。
アトピーは生活環境と密接な関係がある病気です。
アトピーが何に対して反応しているのか、何が刺激になっているかは非常に個人差が大きなポイント。
しかも、本人が自覚していること以外にも原因があるなんてことはザラにあります。
だからアトピー改善には根気と時間が必要なのです。
普通の皮膚科でここまで踏み込んだ治療を望むのは現実的ではないと思います。
アトピー患者視点、正しい病院との付き合い方
とはいえじぶんに合ったアトピー専門医を探すのは難しいです。
一緒に、時間をかけて、根気よく。 こうなると相性問題が無視できないからです。
あとは絶対数の問題もあります。 アトピーの専門医は決して多くはありません。
ここからさらにじぶんと気の合うアトピー専門医を見つけるとなれば相当大変になることは容易に想像できます。
だからアトピー患者はアトピー患者視点の皮膚科活用方法を身に着けておくと助かります。
とくに重要なのが町医者、近所の皮膚科との付き合い方です。
結論から言うと、近所の皮膚科は「薬を処方してくれるところ」として付き合うのが良いです。
アトピーの根本原因をどうにかするにしても、いま起きているアトピーの症状(傷)は無視できません。何らかの対処が必要になります。
なので、こちら患者側の認識もアトピーを治すためではなく、アトピーが原因でできた傷(炎症)を治療する目的で皮膚科に行くのです。
この目的で皮膚科を選ぶと通いやすい皮膚科を選ぶことができるようになります。
アトピーは長い付き合いになりますから病院への通いやすさはとても重要なポイントです。
決してアトピーの根治を目的に近所の皮膚科を選んではいけません。 高い確率でがっかりします。(まず結果が出ないです)
近所の皮膚科で処方された薬を使ってアトピーの症状を抑えている間にじぶんに合ったアトピーの専門医を探したり、生活を見直してアトピーの原因を絞り込んでいくのが良いでしょう。
アトピー克服のコツは短期決戦と長期戦の使い分け
アトピーの難しさは原因がよくわからないことです。
原因が良くわからないから根本原因にアクセスできない。 原因究明が大変だから知識や経験が豊富な人と長い時間をかける必要があるのです。
この知識があると病院のみかたが変わってきます。
皮膚科の診察で1時間かけてくれた経験がある人は居ないと思います。 ほとんどの人が数分くらいではないでしょうか?
時間をかければ良いということではありませんが、このブログをはじめアトピーについていろいろ調べたことがある人なら。
いくら医師とは言え数分の診察でその人のアトピー原因をぴしゃりと当てることができるなんてことは無理だとわかるはずです。
相手の立場で考えることも重要です。 アトピー患者が理想と思う対応を完全にやっていたら経営が成り立たなくなることは目に見えると思います。
逆に、だからこそアトピー専門医が輝くわけです。
とはいえ「気軽」というメリットは簡単に手放すには惜しすぎます。
アトピー患者の強みは病院&医師を選べることです。
アトピーを克服するために割り切りは大切です。 病院もそうですし、ステロイドもそうです。
町医者には町医者のメリット&デメリットが。 アトピー専門医にもメリット&デメリットがあります。
個人的に一番かなしいと思うことがあります。
それは、アトピーを完治させるために一生懸命まちの皮膚科に通い続けることです。
完治するケースもあると思いますが、ほとんどの場合「ぶり返し」を繰り返すはずです。
ここまで記事を読まれた方ならどうしてぶり返すかが理解できるはずです。 これは構造上の問題なのです。
「きちんと病院に通い続けているのにアトピーが治らない」というストレスを抱えてはいけません。
アトピー悪化の原因はストレスですからそれ自体がアトピー悪化の原因になってしまいます。
アトピー患者視点での皮膚科活用方法、使い分けの方法を学習すれば少なくともこのストレスからは確実に解放されます。
やっていきましょう!